ビタミンE 効果 ビタミンEについてこれで全部わかるという ビタミンE まとめ 記事を作成しました。
ビタミンE 効果
ビタミンE は強力な抗酸化作用を持つ脂溶性ビタミンで、体内の脂質の酸化を防いでくれます。 また、動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下、LDL (悪玉)コレステロールの減少、細胞膜を健全に保つなどの働きがあり、加齢によって発症しやすい疾患の予防に役立つことから、「若返りのビタミン」と呼ばれます。
ビタミンE とは
いつまでも若さを保つ、これはいつの時代も人間の昔からの夢であり、願いです。最近、これをキャッチフレーズに ビタミンE がクローズアップされています。
老化を防ぐ、がんにならないなど、ビタミンE の効能が注目されているのですが、ビタミンE の本当の効果について着目してみました。
ビタミンE が発見されてから、70年以上が経過しています。発見されてからの歴史はわりあいに長いのですが、ビタミンB1 が不足すると脚気が起こるとか、ビタミンC が足りないから壊血病になるとかといったふうに、ビタミンE の欠乏症状がはっきり出てこなかったものですから、どうもなおざりにされてきたように考えられます。
最初に見出されたのは、そのときに知られている栄養素を各種与えてネズミを飼育したところ、なかなか妊娠してくれない。やっと妊娠したと思っても、胎児が途中で吸収されたり、死産したり、どうも生殖反応がうまくいかない。
それが ビタミンE を使ったらうまくいったので、これに 「 生殖ビタミン 」 という名前がつけられ、若い人だけが必要とするビタミンじやないかと一般に思われました。しかし現在では、そうではなくて、生まれてから死ぬ日まで非常に大事なビタミンであることがわかってきました。
最初に見出された効果は、不妊症、流産防止ですが老化防止あるいはしもやけの治療・予防、貧血の防止にも有効だといわれています。
つまり血行障害、老化防止などにも役立つわけです。そのほか、最近非常に興味を持たれているのは過酸化脂質の生成防止ということです。
これは非常に難しい言葉ですが、大切な機能です。
ビタミンE を十分に与えておくと、細胞膜、血球膜、細胞の中にあって生理機能を持っている、ミトコンドリア、ミクロゾームといわれるような顆粒の膜の保護作用として働く、といわれています。
この保護作用が十分に行われませんと、細胞が劣化し、それがいろいろな疾病の引き金になってしまいます。
老化とビタミンE
老化防止に ビタミンE が有効に働くといわれますが、その点を、いまの過酸化脂質の問題から詳しくど説明しましょう。
家庭の天ぶら油を考えていただくとわかりますが、天ぶら油は使っているとベトベトしてくるのと同じことで、リノール酸の存在する場所に ビタミンE が不足してくると、生体内でも過酸化脂質ができてきます。それが体の中でたんぱく質と一緒になって、老化色素をつくったり、あるいは過酸化脂質それ自身が二次反応して、いろいろな疾病の原因になります。
それに対して、ビタミンE が十分にあると、いまのような反応が起こりませんから、細胞の機能がスムーズにいきます。そして、それが老化防止にもつながるのです。
体の錆び止めと大気汚染
ビタミンE はなるほど身体の錆止めという意見もあります。錆びというのは過酸化脂質が、錆と同じことで、細胞をポロボロにしてしまうのです。細胞膜にE が十分あれば過酸化脂質ができない、すなわち錆が起こらないということで、わかりやすく「 錆止め 」と説明されているのです。
また ビタミンE は大気汚染から、肺を守るのですが、私たちは酸素を吸って呼吸しているわけですから、酸素はなければならないものです。
ただし、ときには暴れん坊の酸素があります。オキシダントがその1つの例です。そういうものが体の中に入ってきますと、細胞膜にあるリノール酸のような各種不飽和脂肪酸をすぐに酸化してしまい、過酸化脂質をつくる。そして、それが二次的ないろいろな変化を起こし、疾病の原因になるのです。
よく、オキシダントでいろいろやられるといわれるのも、ここにあるだろうと思います。この件については、アメリカのテキサスのNASA (航空宇宙局) の研究所で、宇宙飛行士をカプセルに入れて月へ運ぶわけですが、このカプセル内は酸素庄が非常に高く、ことにそういう疾病が起こりやすいので、それと同じような条件下において動物実験をして、いろいろなデータを出しております。
ビタミンE を十分に与えて宇宙へ行って帰って来た宇宙飛行士はそれほど障害を受けませんが、ビタミンE が不足すればそういう疾病が出てくるそうです。
がんと ビタミンE
がんの予防にもなるということは、日本でも二、三の学者からそういう報告が出ています。この過酸化脂質は万病のもとだといわれています。ですから、コレステロールの問題、がんの問題、心臓病の問題、すべてに過酸化脂質が引き金になると考えてもいいわけです。ビタミンE を過剰にとってもがんの予防にならないが、ビタミンEが欠乏すると、がんが発生しやすくなると言えます。
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理想的なビタミンE の摂取方法
ビタミンE と女性
女性にとってE は大切なビタミンといわれますが、最初に ビタミンE が見出されたのは不妊の問題ですから、そういわれるのです。しかし、ただ単にそういう問題だけでなしに、最近ではいわゆる不定愁訴という形で、女性の一般的な血行障害、更年期障害などいろいろなものに対して、ビタミンE を十分に摂取していれば防止効果が期待できます。
ですから、健康も考えて、食用油になるときに邪魔になったようなものを分離して、きれいにしたビタミンE を、そういう加工食品に戻してやる、つまり再添加が行われています。加工食品だけでなしに食物油それ自身にも、もう一度ビタミンE を戻すことも行っています。
1日の摂取量
ビタミンE を1日どのくらい摂ったらいいかというのは、なかなか難かしい問題です。その人の食生活、あるいはその人の住んでいる環境、その人の年齢、いろいろなものが関係してきますから、
1つの数字を出して、これだけでいいですよとはいえません。ただ、アメリカでは現在のところ、大人については10~ 15mg 程度、毎日摂れれば、必要量を満たすことができます。
これについてはいろいろな学説がありますが、リノール酸のような高度不飽和脂肪酸を1グラム摂るとき、それに見合うだけのビタミンE が摂れれば不足しない。では、見合う量とはどのくらいかといいますと、少なくとも1グラムのリノール酸に対して〇・60~80 mgのビタミンE があればいいでしょう。
しかし、こんな数字を覚えるのはたいへんですから、リノール酸のようなものを1グラム摂ったときには1000分の1の ビタミンE を摂る、と覚えておけばいいでしょう。
つまり、われわれの食生活は変化してきて、油をいっぱい摂りますから、油をよく食べるような人はより多くビタミンE をとる必要があるということです。環境が悪くて、オキシダントの問題が心配といわれる地域に住んでおられる方も、やはりビタミンE を多めに摂取したほうがいいでしょう。
ビタミンE 過剰摂取 の心配について
幸いなことに、ほかの脂溶性ビタミンと違って、ビタミンE については、大過剰に摂れば何か出てくるかもしれませんが、一般的な状態では過剰障害はまだ報告されていません。
摂り過ぎたから悪いということはありません。安心して摂れるのです。しかし、だからといって無駄に摂ることはありません。
若返りたい、老化を防ぎたいということで毎日カプセルばかりいくら飲んでも、急にきれいになるということでもないでしょう。
ただし、アメリカでビタミンE を使っておられる方の中に、スポーツ選手、ことにアメリカン・フットボールの選手がいます。こういう方々は運動によって呼吸量が多くなります。そうすると、それに対抗してビタミンE をたくさん摂っておくことが安全である。また、アメリカン・フットボールの選手は瞬発力、バッとスクラムを組むようなとき、ビタミンE をたくさん摂っているほうがいいということで、たくさんとっています。
メキシコ・オリンピックのときも、ある国の選手はビタミンE をたくさんとって試合に臨んだために、いい成績をあげたともいわれています。